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結論:売るつもりなら、直さずに「見た目」だけ整えるのがおすすめです
「売る前に直したほうがいいですか?」と聞かれたら、自分は「直さなくていいですよ」と答えます。擦り傷、オイルのにじみ、警告灯、すり減ったタイヤ、車検の期限が近い。どれも、売ると決めているなら修理せずそのままで十分だと考えています。理由は単純で、修理にかかるお金のほうが、査定で上がる金額より大きくなりがちだからです。
そのかわり、お金をかけずにできることがあります。
- 直さなくていいもの:バンパーの擦り傷、エンジンまわりのオイルのにじみ、警告灯、溝が減ったタイヤ、あと2か月で切れる車検
- やっておくこと:洗車と車内の掃除で「パッと見」を整える。社外パーツを付けているなら、簡単に戻せる範囲で純正に戻す
- そろえておくもの:整備記録簿(メンテナンスノート)
※この記事の金額は、現場で働いた自分の感覚です。車種や地域、お店によって変わります。
直さなくていい理由:修理代が、査定アップ額を上回りがち
自分の感覚では、修理にかかる費用のほうが、査定で上がる金額より大きくなりがちです。5つの項目について、自分の答えをまとめます。
- バンパーの擦り傷(手のひらサイズ)→ そのまま:板金塗装に出すと、感覚として1.5万円ほどかかります。修理代のほうが、査定の上がる額より大きくなりがちです。
- タイヤの溝が減っている → 交換しない:新品4本は、車やサイズによって大きく変わります。車によっては4本で20万〜30万円するタイヤもあり、新品にしても査定が同じだけ上がるわけではありません。
- オイルのにじみ・警告灯の点灯・車検があと2か月で切れる → そのまま:この3つも、修理代のほうが査定の上がる額より大きくなりがちです。
大手の中古車販売店の売却ガイドでも、修理費用が高額になる場合は、直さずそのまま査定に出すのが賢明と説明されています(出典参照)。
余計な手は加えない:タッチアップペンの落とし穴
小さな傷をタッチアップペンで隠そうとする人は多いのですが、うまく塗れずに、かえって汚く見えてしまうことがあります。むしろ逆効果になりやすいので、余計なことはしないほうが無難です。
査定前にお金をかけずにできること
売る前は、「パッと見」がきれいに見えることがとにかく大事だと考えています。やることは次のとおりです。
- 外装を洗車する:ピカピカに洗うのは当然として、未塗装樹脂(黒いプラスチック部分)には黒ツヤ復活剤を使うと、見た目がだいぶ違います。タイヤにはタイヤワックスを塗ると、パッと見がきれいに見えます。
- 内装をきれいにする:シートとフロアマットなど、目に入る場所を掃除します。
- 社外パーツは、簡単に戻せるなら純正に戻す:自分で簡単に交換できるなら、純正に戻しておくのがおすすめです。外した社外パーツは、フリマアプリやオークションサイトで別に売ればいいと思います。
- 整備記録簿をそろえる:次の項で説明します。
車内清掃や簡単な洗車、純正部品の用意、メンテナンスノートの準備は、大手の中古車販売店の売却ガイドでも査定前の準備として挙げられています(出典参照)。
整備記録簿がある車と、ない車
整備記録簿があると、過去にどこでどんな整備をされてきたかがはっきり分かります。しっかりメンテナンスされてきた車かどうかは、ひと目で分かります。次のオーナーにとっても、買い取る側にとっても安心材料になります。
逆に記録簿がない車は、どんな整備をされてきたのかが全く分かりません。極端に言えば、何もされてこなかった可能性もあるので、買取の査定ではマイナスになりがちです。
スペアキーについては、査定にどれくらい響くのか、正直なところ自分には分かりません。ただ、次にその車を買う人の立場になれば、なければ困るだろうとは思います。
整備士が「売る予定の車」を見るときの順番
知人から「売ろうと思っている車を見てほしい」と言われたら、自分は次の順番で見ます。あくまで整備士としての自分の見方で、買取店の査定の手順とは別のものです。
- ボディの外装の傷:バンパー、ドア、ボンネットなどに傷がないか。
- エンジンルーム:しっかりメンテナンスされているか。特に、エンジンオイルが交換されているか。
- 油脂類の漏れ:エンジンオイルの漏れ、冷却水の漏れがないか。
- 事故の修復歴:外装やエンジンルームを見ながら、明らかな修復跡がないかも合わせて確認します。
- エンジンをかけて試走する:エンジンからも、それ以外の場所からも、変な音(異音)が出ていないか。
「修復歴」は、バンパーやドアを直しただけでは付きません
車の査定でよく聞く「修復歴」は、日本自動車査定協会(JAAI)の基準では、骨格部位に損傷があるもの、または修復されているものを指します。ここで言う骨格は、溶接で接合されている部分のことで、ネジ止めの部分は骨格に含まれません。小さな損傷(カードサイズ=8.5cm×5.4cm未満)は、修復歴としないとされています。
つまり、ボルトで留まっているバンパーやドアなどの外板を、交換したり修理したりしただけでは、基準の上では修復歴になりません。ただし、外板の傷や交換が、査定でまったく見られないという意味ではありません。外板の状態は、別の項目として評価の対象になります。
※上の内容は、日本自動車査定協会が公開している査定基準(国産車の細則)を読んで書いています。基準は改定されることがあるため、最新の内容は同協会の情報をご確認ください。
売るときは、複数の会社の査定を比べる方法もあります
ここまでは、整備士として自分が見てきたことを書きました。ここから先は、自分の実体験ではなく、サービスの公式の案内をもとにした紹介です。
売る先を1社に絞らず、いくつかの買取店の査定額を比べたい人向けに、一括査定サービスがあります。その一つが「MOTA車買取」です。公式ページの案内によると、仕組みは次のとおりです。
- 申し込んだあと、最短3時間ほどで、最大20社の概算の査定額をWebで見られる
- 実際にやりとりする買取店は、査定額が高かった上位の最大3社に絞られる
- 示されるのは概算の査定額で、最終的な金額は、実際の車を見たうえで決まる
1社ずつ電話で相手をする手間を減らしたい人には、合う仕組みだと思います。ただし、実際にいくらで売れるかは、車の状態や相場によって変わります。申し込む前に、この記事で書いた洗車と掃除、整備記録簿の準備をしておくと、査定のときに慌てずに済みます。
まとめ
売るつもりの車は、修理にお金をかけるより、洗車と掃除で見た目を整え、整備記録簿をそろえるほうがおすすめです。修理代が査定の上がる額を上回りがちなことは、現場で働く中で感じてきたことです。
次にやること
- 洗車と車内の掃除で「パッと見」を整える。拭き方のコツは「洗車傷を防ぐ拭き上げのコツ」にまとめています。
- 整備記録簿(メンテナンスノート)をそろえる。
- 査定を申し込む前に、「契約前に確認したい5つのこと」と「売る側が用意する必要書類」も確認する。
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