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※本記事は、独立行政法人国民生活センターの公表資料(2023年3月22日付)と、一般社団法人日本自動車購入協会(JPUC)の案内を、2026年10月13日に確認した内容です。契約の内容や事業者の対応は、個別の事情で変わります。トラブルになったときは、最寄りの消費生活センター(消費者ホットライン188)などにご相談ください。
結論:車の売却はクーリング・オフが使えません。査定の場で契約せず、契約書のキャンセル条項を読んでから決めましょう
国民生活センターは、2023年3月に「増加する中古自動車の売却トラブル」を公表しました。全国の消費生活センター等に寄せられた中古車の売却に関する相談は、2021年度は前年度の1.25倍で、2022年度も増加傾向にあるとしています。相談の内容では「契約・解約」に関するものが全体の87.3%(2021年度)を占めています。
よくあるトラブルの3つの型
国民生活センターが紹介している相談事例は、大きく3つの型に分けられます。
- 強引な勧誘で、その場で契約させられる:「今日すぐに引き渡せば25万円で買い取る」などと言われて契約した、事業者が帰らず契約した、といった事例があります。
- 高額なキャンセル料や、キャンセルの妨害:契約後すぐに取り消したいと伝えたのに、高額なキャンセル料を請求された、キャンセルを申し出たあとに電話が20回近くかかってきた、といった事例があります。
- 契約して車を引き渡したあとの減額:引き渡した後に、査定額を減額する、または契約を解除すると言われた事例があります。
車の売却は、クーリング・オフの対象外です
特定商取引法は、事業者が自宅を訪れて物品を買い取る「訪問購入」について、書面の交付やクーリング・オフの規制を定めています。ただし、車の売却はその対象から除外されているため、クーリング・オフは適用されません(国民生活センター)。いったん契約をすると、原則として契約書の内容に縛られます。
契約前に確認したい5つのこと
1. 査定の場では契約せず、一度冷静に考える
「今日なら高く買い取る」「今すぐ引き渡せば上乗せする」と急がされても、複数の事業者の査定額が出そろってから比べましょう。強引に迫られたら、「今回は査定をお願いしただけで、今は売らない」「他の店の査定額と比べる」と伝えて、その場で契約しないことが勧められています。
2. 契約書のキャンセル条項を読む
契約書には、キャンセル料の金額と、どの時点から発生するのかが書かれています。この2つを理解してから契約しましょう。契約書に書かれたキャンセル料でも、事業者に生じる平均的な損害額を超える部分は、消費者契約法第9条第1号によって無効となる可能性があります。また、車買取の事業者団体であるJPUCは、「売却する車を事業者へ引き渡した翌日まではキャンセル料を払うことなく解約できる」などの内容を含むモデル約款を作っています。
3. 修復歴・事故歴は、査定のときに正しく伝える
車に修復歴や事故歴があると知っていたのに、契約時に伝えなかった場合、事業者から契約不適合責任に基づく減額や契約解除を求められる場合があります。知っていることは必ず査定時に伝えましょう。反対に、伝えたうえで査定額が決まったのに、契約後にその修復歴や事故歴を理由に減額や解約を求められても、応じる必要はないとされています。
4. 査定サイトに入力すると、複数の事業者から連絡が来ることがある
インターネットの査定サイトは、時間をかけずに一度に複数の事業者の査定が受けられる利点があります。一方で、参加している事業者は連絡先などの個人情報を得られるため、その後に複数の事業者から勧誘が来る可能性があります。
5. 困ったときの相談先を知っておく
不安に思ったときやトラブルになったときは、一人で悩まず、最寄りの消費生活センターに相談しましょう。全国共通の「消費者ホットライン188」で、最寄りの窓口を案内してもらえます。JPUCにも、車の売却に関する専門の消費者相談窓口(JPUC車売却消費者相談室・無料)があります。
事業者を選ぶときの目安:JPUCの適正買取店
JPUCは、適正買取店研修の修了者が全ての買取店に1名以上在籍していること、売買契約書がJPUCのモデル約款に適合していることなどを条件に、事業者を「適正買取店」として認定しています(国民生活センターの資料に掲載されたJPUCの取り組みより)。JPUCは、こうしたマークを持つ事業者を選ぶことで、トラブルを避けやすくなるとしています。
一括査定を使うときは
一括査定サービスの一つ「MOTA車買取」の公式ページの案内によると、申し込み後、最短3時間ほどで最大20社の概算の査定額をWebで見られ、実際にやりとりする買取店は、査定額が高かった上位の最大3社に絞られます。1社ずつ電話で相手をする手間を減らしたい人には、合う仕組みだと思います。示されるのは概算の査定額で、最終的な金額は実際の車を見たうえで決まります。サービスの内容や条件は変わることがあるため、申し込む前に公式ページで確認してください。
売る前に修理や掃除をどこまでするかは、車を売る前に、修理は必要?整備士が「そのままでいい」と答える理由で整理しています。
まとめ
車の売却には、クーリング・オフがありません。査定の場で契約を急がず、複数の査定額を比べ、契約書のキャンセル条項(金額と、いつから発生するか)を読み、修復歴や事故歴は査定時に正しく伝える。この4つで、多くのトラブルを避けやすくなります。困ったときは、消費者ホットライン188やJPUCの相談窓口に相談しましょう。
次にやること
- 査定の場で契約を急がず、契約書のキャンセル条項(金額と、いつから発生するか)を読んでから決める。複数の査定額を比べる。
- 修復歴・事故歴は、査定のときに正しく伝える。
- 困ったときは、消費者ホットライン188や、JPUCの相談窓口に相談する。
- 売る側が用意する書類は「売る側が用意する必要書類」、売る前の準備は「車を売る前に、修理は必要?」で確認できます。

